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【ホテレス連載77】郎婦は目に見えるミステリーショッパー

writer / hashimoto

ウエディングチームには、来館数を増やし、成約を増やして、単価とレベニューを上げていくという明確なミッションがありますから、目の前の郎婦とのやりとりには細心の注意を払い、ほつれた制服の袖を隠しながら接客します。なぜならウエディングの顧客は普段使いのホテルならともかく、自分たちのウエディングで使うホテルとなると、目線が圧倒的に厳しくなるからです。それゆえ、廊下ですれ違うクリーニングの方ですら、その挨拶や感じの良さに一喜一憂したりしますし、誰にも見えないようなカーペットのシミを、自分たちが予約したバンケットの片隅で見つけたりしてしまうのです。仮に打ち合わせでの来館時に、ちょっとのぞいた自分たちが使う予定のチャペルで愛想のないエンジニアが作業していたとしたらどう感じるでしょうか。逆に笑顔で作業を説明したらどう受け取ってもらえるでしょうか。